[連載中] ヒューマン・コネクション【26】
人生の大恩人との再会
福澤諭吉が “自由な知の交換” の精神のもと創設した交詢社。明治から続く対話の息吹が今もどこかに漂っているように感じる場。その空間で先日96歳を迎えられた降旗さんと1年振りにお会いしました。尽きることのない話に、3時間という時間があっという間に過ぎました。
ふと、“もし” をお聞きしてみました。「もしUNCへの留学を果たしていなかったら、どのようなキャリアと人生を送っていらしたと思いますか」と。しばしの間の後、降旗さんが穏やかに語ってくださったその言葉は、一度の経験がいかに人の軸を深く形作るかを、改めて教えてくれるものでした。
平川唯一先生(カムカム英語)との出会いが降旗さんをアメリカへと向かわせ、その経験が降旗さんという人の器を広げた。そして降旗さんが、私をUNCへと導いてくださった。人生の扉は自分で切り拓いているつもりでも、実は誰かが差し伸べてくれる手によって開かれているのかも知れない。交詢社という場が、そんなことを自然と気づかせてくれました。
出会いから32年。今も続くこのご縁を心から大切に思います。いつかこの縁を次の誰かへと手渡せる人間でありたい。
(つづく)