[New] 18歳の春に、息子が放った言葉
“大学には行かないことにしたよ。どうしてもやりたいことがあるんだ”
先週18歳になった息子のその言葉を聞いた時、不思議と僕の心に去来したのは、彼がこれまで節目節目で放ってきた、決断の数々でした。
日本では春の入学式。僕が生活するアメリカでは大学の合格発表のシーズンで、国を超えて門出を祝う投稿で賑わっています。息子が生まれたのも、ちょうど桜満開の季節でした。
アメリカで生まれ、3ヶ国6都市、8回の引越し。目まぐるしく変わる環境に、子どもながらに必死に順応しようとしてきたのだと思います。そんな中で、彼の自我は「決断」という形で芽生えていきました。
4歳の時の「ママ、僕、あの幼稚園にいかなくてもいいかも」
6歳の時の「今年のサマースクールにはいかないよ。It’s my decision.」
僕たちはその度に、彼の「なぜ?」に耳を傾け、尊重しようと心がけてきました。
意見が違えば、まず聴く。そしてどんな時も、最大の理解者であり、誰よりも味方でいる。それが僕たち夫婦の息子への向き合い方でした。
でも、今回の決断ばかりは、親としての揺らぎがなかったわけではありません。 高校生活での違和感、そして経験した心の病。大学の合格通知を手にしながらも、彼が選ぼうとしているのは、自分の道。
夜中に消音にしてもなお漏れてくる、微かな鍵盤の音。今、1日15時間、大好きなピアノに本気で向き合っています。
音楽に対する抗えない情熱。それを僕たち夫婦にゆっくりと語ってくれた時、そこにある彼のブレのない価値観に心から共感しました。
当時7歳の彼とお風呂に入りながら「将来は何になりたい?」と聞いた時、彼は「ゲーマーかな」と答えました。僕は「やるからにはその道でNo.1を狙いたいね」と返しました。そうしたら7年後に、本当にその道で世界No.1になって。
あの日から、僕のスタンスは変わっていないと言えるかも知れません。
ふと思うことがあります。大学院に入り直し、学びの探求を続ける54歳の父の挑戦を、息子はどうみているのだろうか。
もし、彼が本気で学問を探求したいと思った時。きっと、彼は迷うことなく飛び込むだろう。その時を愉しみに待とう。人生、何をやるにも遅すぎることなんてないのだから。
いつか決断に躊躇する彼がいたら、こう言ってあげよう。“Choice is yours. What are you waiting for?” と。
息子に願うのはひとつ。これからも自分の心に正直に生きていってほしい。
当時5歳の息子と。彼が生まれたChapel Hillにて
Apr 07, 2013