[連載中] ヒューマン・コネクション【23】

北海道のサマーキャンプ(その2)

前回は、今年の夏北海道で開催する日米の高校生向けサマーキャンプを企画された石神友希穂さんから、サマーキャンプを企画するまでの経緯や、このプログラムの特徴などについて伺いましたが、今回は、サマーキャンプを通じて、その先にめざす地域貢献について伺った内容をお伝えします。尚、前回のインタビュー記事「北海道のサマーキャンプ(その1)」は、こちらからご覧になれます。

「共に踊る」コミュニティーの一員としての地域貢献

Atsuko: なるほどね。函館には、良い意味でも、悲しい意味でも、フィールドワークをする題材が存在し、顕在化しているのですね。そこまで突っ込むフィールドワークを実施することを考えると、地元の方の協力をずいぶん得たんでしょうね。


Yukiho: おっしゃる通りで、転勤していた時の繋がりがここで生きてくるのを感じています。やはりアントレプレーになると、自分のこれまでの人生の生き方すべて試されるなっていう風に最近感じているんですけど、函館で以前お世話になった方との繋がりが、また生きてくるのは、ありがたいです。例えば、函館市の隣の市の北斗市の起業家の皆さんですとか、その方たちのつながりから、北斗市観光協会の方たちとも、一緒にタッグを組んでやっています。地元でのネットワークとかロジ面では、本当にお世話になっています。それから、日本なので、旅行業法対応などの規制対応も出てくるんですね。なので、観光協会がしっかりサポートして下さったりとか。。。ちなみにもう市長さんや商工会議所の会頭もこの取り組みをご存知だということで、地域を挙げてサポートしていただいています。

Atsuko: それは素晴らしい!


Yukiho: 皆さんから成功させたいと言っていただいてますし、私ももう毎日のように皆さんとやり取りをしながら、ああでもない、こうでもないと、言いながら検討を続けていて、皆さんと一緒に頑張っています。


Yukiho: そうそう、それから、私が踊っている「YOSAKOIソーラン」のチームの繋がりも大いにありです。それで、YOSAKOIや津軽三味線もプログラムの中に入れてます。それも私の知り合いというか、もう本当に仲のよい友人たちが、「そういうことなら頑張るよ。」風に言ってくれていて、協力してくれることになっています。本当に人情で助けられてるなって思います。私がお願いすると何でもすぐ「いいよ。」って言ってくれるような人たちで、本当にありがたいです。

Atsuko: そういう地域に根付いた文化的な活動で、そのコミュニティーの一員になると、その繋がりってすごく大きいですよね。

Yukiho: おっしゃる通りだと思います。職場のつながりだけだと、仕事の関係で経営者の方とかとお話しすることで、その視点からは見れるけれども、例えば同世代の人の視点はどうかというと、わからない。それで、一歩外に出てYOSAKOIの踊りとかで知り合いって、友達になると、たわいのない会話から、いろいろな気づきに繋がりました。

「通ってた小学校がもう無くなっちゃって。」とかいう会話が普通にあって、そういうところから、人口減少とか過疎化とかを現実の問題としてしんみりと感じました。そういうことって、東京にいるとわからなかったです。そういうたわいのない会話からの、地元の社会や経済に関する学びを実感しました。

Atsuko: そうだったんですね。でも日銀ですごく忙しかった時に、地元のYOSAKOIのグループに入ったのは、それは、それは、シンプルに偉い!そういう時間をちゃんと作って、地元の方と交流する機会を作るっていうのは普通なかなかできないでしょう。

Yukiho: 確かに、あの、忙しくなる前にもう始めてしまったのが良かったです。転勤って家族や友人がいなくて一人でポンと放り込まれるみたいなところがありますし、あと社宅なので、社宅以外の居場所を持っておくというのは良かったなと思っています。


Atsuko: その時に地元の文化に根付いた活動を選んだという着眼が素晴らしいと思いますよ。


Yukiho: 歓迎会で教えてもらったんです。「北海道はYOSAKOIだよ。」と言われて、歓迎会の後に、函館のYOSAKOIのチームについてすぐ調べて、すぐ参加することにしました。着任してすぐで、忙しくなる前でした。


Atsuko: そうなのね。思い立ったら、すぐ実行。Yukihoさんは、行動力の人ね。タイミングも良かったし。私もね、この年になって和太鼓を始めたのだけれど、文化的な活動って純粋に楽しい。YOSAKOIもそうだけれど、和太鼓もチームでしょう。だから、みんなで練習したり、イベントに出たりして、仲良くなるのね。私も地元に根付いた文化のグループに入る事で気がついたことがいろいろあります。

Yukiho: 本当におっしゃる通りだと思います。よさこいのいいところは、年齢層も幅広くて私のチームでも12歳から65歳くらいまでいるんですね。商店街でパレードをしてたら、地元のおばあちゃんみたいな人がすごい喜んで拍手してくれてて、それを見た時にとてもやりがいを感じたんですね。私はたちはこうやって踊ることでこんなに喜んでくださる方たちがいらっしゃるっていう。

Atsuko: それはもうずっと続けていただきたいですね。


Yukiho: 体力年齢との闘い。頑張ります。

Atsuko: はいはい。その通り!頑張ってください。この函館でやるサマーキャンプのお話を伺って、これは似たような日本の別の地方都市でも出来そうな感じがしました。Yukihoさんみたいな人が中心にいないといけませんけど。地方自治体の方とか観光局の方とかが一緒になり、コアになる石神さんみたいな人がいればね、できそうですよね。例えば岡山県の備前市を中心にしてそれをやるとか。千葉県の館山市で開催するとか。一つのモデルとして成り立ちそうですね。


Yukiho: そうなると良いと思っています。プログラムの表テーマは教育なんですけど、裏テーマは地域経済への貢献があります。地域経済の問題って、これまでの従来の考え方だと、もうどうしようもないっていう気がしてしまいます。既に縮小している経済、人口も減っている中で、なかなかそれをこう止めて巻き戻すみたいなことは本当に難しいと思うんですね。企業誘致とか、移住支援金みたいなことも行われてますけど、そういう策で食い止めるのは難しいところに来ている気がします。


そうなった時に従来のアプローチではない新しい考え方で、ポジティブな話題を作って行くっていうのはすごい大事だなと思っています。函館も、歴史・文化・社会課題を学ぶのに最適なフィールドですし、蒸し暑い東京などと違って夏にフィールドワークを行うのに気候も適しています。こうしたその地域ならではのいいところに着目した新しい取り組みがどんどんできて行ったら、ポジティブな方向になって行くかな?と思っています。このプログラムは、ある意味二週間だけなので、企業誘致ほど大変ではないし、実施しやすく、リスクが小さい地域への経済効果も出せるモデルだと思っています。

とにかく、やってみる!


Atsuko: 実施しやすいと言っても、あらゆる面でかなり気を遣う大変なプログラムだと思いますが。


Yukiho: はい、実は何で始めちゃったんだろうって思うくらい大変なこともあります。膨大なto-doリストがあってですね。。。毎日思いついては何行も追加しています。


Atsuko: そうでしょうね。リストの項目がだんだん減らないでどんどん増えてしまう?


Yukiho: そうなんです。やはり未成年を預かるっていうこともありますし。アメリカの子たちは海外に連れて行くっていうことなので、あらゆる考えられるケースを全て整理して、全てに対して全部準備をしっかりしたいということです。特に初回なので、細かく細かく考えて準備をしています。


Atsuko: なるほど。それで、7月末の実施に向けて、あっという間に数ヶ月になってしまうので、準備の方、頑張ってくださいね。


Yukiho: ありがとうございます。是非目指したいのは奨学金枠を作りたいと思っていています。例えば、やる気のある自治体さんとかが地元枠で奨学金を出してくださるとか、助成金をいただく代わりに、その地域からの参加者は参加費無料みたいなことをもっとしていきたいです。でも、とりあえず実績を出さないことには始まらないので、今年はとにかくやってみたい、ということです。今もうすでに参加確定している参加者もいて。ふわっと抽象的に話していたのが、もう実際に志望動機を書いてくれた子たちがいるというように具体化してきていて、次のフェーズに入っているので楽しみです。


Atsuko: お話を聞いているだけで、私もワクワクしてきます。今年は「とにかくやってみる!」ということで、既に奨学金のことなど将来の展望をお持ちのようですので、是非良い形で将来に繋げて行ってください。実施後、またお話を伺う事を楽しみにしています。

(つづく)

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